スウェーデン

Music from the FAR NORTH

Argo , ZFB43 , 1967(デーベン・バッタチャリア採集・解説) 

フィンランド、スウェーデン、ラップランドの人々による演奏と唄

移民の歌 他 全22曲 

極北の民俗音楽を収録したLPです。フィンランド、スウェーデン、ラップランドの音楽ですが、デーベン・バッタチャリアの解説によると、スウェーデンはフィドラーの国で、カンテレはフィンランドの国民楽器であり、この地域の最も古い音楽はラップ人のヨイクだそうです。各地の特徴的な音楽を集めた学術資料という感じで聞いて楽しめるものではありませんが、素人の私には歌詞まで紹介してある解説がとても有用でした。(手元のLPにはキングレコードによる日本語解説も付いています)
スウェーデンを離れてアメリカに行くときの「移民の歌」が印象的なので紹介します。「さよなら、お母さん、お父さん。私のためにあなた方は随分、苦労されました。けれど私はこの世でお返しをすることができません。しかし天にいます主がきっとあなた方にお返しをしてくれることでしょう。遠く去っても、私の心の中にあなた方を伴っていきます」という歌詞が心に響きます
極北の厳しい生活から生まれた音楽です。

 

Anders Norudde /kan sjalv

DRONE , DROCD020 , 2000 

Anders Norudde : バグパイプ(Swedish Bagpipe)、ニッケルハルパ(Moraharpa) 等

Rammen 他 全26曲 

スウェーデンの伝統楽器を用いたAnders Noruddeによる演奏を収録したCDです。ノルッデはHedningamaというグループの一員でしたが、本CDのタイトル「kan sjalv」は「一人で出来る」という意味です。伝統楽器による生き生きとした演奏で、曲は自作のようですが伝統曲と言われても判別できない感じです。このCDを聴くと、本物と偽物を見分けることの難しさを痛感します。
本物か偽物か判然としない伝統音楽を聞いてみたい人にお勧めです。

 

春が来た/The Time of Maying

MVSICA REDIVITA , MRCD 002 , 1990 

Helena Ek: 唄、ヴィオラ他 / Charlotte Edstrom :唄、ベル、他 /Ylva Akesson : ギター/ Sven Berger : 笛、バグパイプ、ドラム等

Welcome, Lovely May 他 全26曲 

ヴィラネル(村娘)・アンサンブルは1987年にスウェーデンのヨーテボリイ市の音楽大学で結成されました。
このCDでは、1100年代から1600年頃までのスウェーデン、イタリア、ドイツ等の古典音楽を演奏しています。演奏は堅苦しい古楽演奏ではなく、トラッド的な生き生きしたものです。古楽とトラッドをつなげるような演奏で楽しめます。
素朴な古楽演奏を聞いてみたい人にお勧めです。

 

CONTRASTS

proprius , PRCD9040 , 1990

Hakan Hagegard : 唄 / Gunnar Idenstam : パイプ・オルガン

Som stjarnan uppa himmelen 他 全16曲 

パイプ・オルガンの伴奏で民謡、賛美歌などを男声独唱しています。解説が読めないので、どこの民謡なのかは不明です。
このCDはクラシック畑の演奏者によるものですが、パイプ・オルガン奏者の自由奔放な演奏は楽しめます。
静かなクラシック音楽が好きな人にお勧めです。

 

Trio Patrekatt /Adam

xource , xoucd 119 , 1997 

Markus Svensson: ニッケルハルパ / Annika Wijnhladh :チェロ / Johan Hedin : ニッケルハルパ等

Neptun 他 全12曲 

Trio Patrekattはスウェーデンの若者のグループです。伝統音楽(トラッド)を素材として新しい音楽を作り出そうというコンセプトを持ったグループのようです。
このCDでは、ニッケルハルパやチェロ等の弦楽器を用いた精緻な合奏が聴けます。クラシック(古楽)風の演奏ですが、細部に工夫を加えており、生き生きとした表情を持った面白い音楽だと思いました。やや響きの多い、耳当たりのよい録音です。
新しい伝統音楽を聞いてみたい人にお勧めです。