ポルトガル
PORTUGAL
UNESCO , D8008 , 1988 (IICMSD1972録音)
Maria Teresa de Amaral : 唄 / Raul Nery: ギターラ(ポルトガル・ギター) / Joel Pina : ヴィオラ(ギター) /他
Beira Baxia ,Alentejo, Douro Littoral地方 の民謡、リスボンのファド 全17曲
ポルトガルの様々な民謡とリスボンのファドを収録したCDです。1972年のInternational
Institute for Comparative Studies and Documentation (IICMSD)発行のアルバムをユネスコが再発したものです。女性と子供の地声合唱、老婆による子守唄、男声合唱、不思議な旋律の男声独唱などの様々な民謡が集められています。リスボンのファドは女性が歌うものだと思っていましたが、本CDでは男声のトラックもあります。
本CDは資料として貴重なものなのでしょうが、リスボンのファドは哀愁に満ちた素晴らしい演奏で楽しめました。
ファド愛好家にお勧めです。
Gaiteiros de Lisboa / Invasoes
FAROL Musica , FAR / 00007 , 1995
Carlos Guerreiro、Rui Vaz 他: バグパイプ / Jose Salgueiro 他 : パーカッション / Jose M.David: フルート / 他
Fandango 他 全13曲
Gaiteiros de Lisboaはポルトガルのリスボンのグループです。ポルトガルの伝統曲を演奏しているのかは分かりませんが、このグループの演奏曲にはブルターニュの伝統曲と良く似たものがあります。(CDの解説が読めないので聴いた印象だけで書いています)
このCDは伝統曲を題材にした演奏だと思いますが、クラシック畑の演奏家による現代音楽的な香りもします。地声の男性合唱にバグパイプ等の伴奏という曲が主です。知性的であり、かつ、荒削りな演奏という珍しい印象を受けます。とても、おもしろいCDだと思いました。
知性的で荒削りな演奏を聴きたい人にお勧めです。
カフェ・ルーゾのアマリア・ロドリゲス
OMAGATOKI , SC3126-7 , 1993(1955録音)
アマリア・ロドリゲス : 唄 / ドミンゴス・カマリーニャ : ギターラ(ポルトガル・ギター) / サントス・モレイラ : ヴィオラ(ギター)
貧乏は不幸じゃない 他 全16曲
ポルトガルの女性歌手アマリア・ロドリゲスが唄うファドです。リスボンにある「カフェ・ルーゾ」での1955年の実況録音で、ロドリゲス35歳でした。カフェ・ルーゾは「ファドの家」と呼ばれるバー兼レストランで、熱心なファド愛好者が集まる場所です。
本CDは図書館で借りたものですが、ファドの真髄が聴ける名盤だそうです。ポルトガル語がわからないのが残念ですが、私には情感がたっぷりすぎる感じがします。
アマリア・ロドリゲスの歌声を聴いてみたい人にお勧めです。
ETERNOS FADOS DE COIMBRA
METRO-SOM , CD101 , 1991
Frederico Vinagre : 唄 / Octavio Sergio : Guitarras / Durval Moreirinhas : ギター /他
Maria 他 全18曲
コインブラのファドを収録したCDです。リスボンのファドば女性歌手が唄い、コインブラ大学を発祥地とするコインブラのファドは男性が唄うもののようです。
このCDでは、下の図に示すGuitarra等による伴奏で、Frederico
Vinagreがクラシック的な発声により情感を込めて唄っています。
コインブラのファドを聴いてみたい人にお勧めです。
RONDA DO FADO / Guitarras
Strauss , ST5175 , 1973/1998
F.Carvalhinho、Jose Nunes、Jorge Fontes 他: Guitarra(ポルトガルのリュート)
BAILADO DO FADO 他 全10曲
ポルトガルのリュートGuitarraで演奏されるファドです。ファドは女性が歌うものだと思っていましたが、Guitarraで演奏される形も伝統的なスタイルのようです。CDの解説によると、ファドとは運命の唄という意味で、16世紀には「変えられない人生の悲しみを和らげるために唄う」というファドの起源が見つけられるそうです。
聞いた印象は、やさしく軽やかな雰囲気の南国的な音楽でブラジルのショーロに似ていると思いました。
涼しげなファドを聴きたい人にお勧めです。
Guitars of Portugal / Manuel Marques
BUDA , 82503-2 , ?
Manuel Marques : Guitarra(ポルトガル・ギター) / Nelito Marques / Bonfim / 他
CANINHA VERDE 他 全24曲
ポルトガルのリュートGuitarraを主とした小編成バンドで演奏されるダンス曲や民謡とファドです。12曲がポルトガルのダンス曲や民謡をアレンジしたもので、残りの12曲がFernando
Machado Soares作曲等によるファドです。演奏者のManuel
Marquesは1926年生まれで、50年間程ブラジルに住み、サンパウロで音楽学校を設立した人だそうです。
本CDを聞いた印象は、真面目な演奏という感じですが、ファドで感じるsaudadeは魅力的だと思いました。
ファドでsaudadeを感じたい人にお勧めです。
Taco a Taco
Emarcy , 558 473-2, 1998
Amelia Muge: 唄 / 他
Ai, flores 他 全14曲
ポルトガルの女性歌手Amelia
MugeのCDです。解説が読めないので聞いた感じですが、民謡などをベースとした音楽だと思います。正式な音楽教育を受けた人による現代音楽的な香りもします。下で紹介したGaiteiros
de Lisboaと共通の印象があり面白いのですが、マルチ・トラック録音なのか不自然な音質が気になります。
風変わりな唄を聴いてみたい人にお勧めです。