アイルランド

IRELAND - Traditional Musics of Today

UNESCO , D8271 , 1997

アイルランドの人々:  唄 / 演奏

The Bonny Light Horseman 他 全21曲 

本物のアイルランドの伝統音楽が記録されています。
ダブリン大学に保存されている1000時間に及ぶ録音から選択された演奏と唄を収録したUNESCOコレクションです。いかにもアイルランド民謡という感じのものから、このCDでしか聞いたことがない珍しいものまで様々なスタイルの曲が集められています。
音質の悪い古い録音も多く、聞いて楽しむものではありませんが、真面目にアイルランド伝統音楽を勉強したい人には貴重なものでしょう。
アイルランド伝統音楽を勉強したい人にお勧めです。

 

ケルトの遺産 - アイルランド

キングレコード , KKCC-5519 ( 原盤Ocora, C580029, 1978年)

マーティン・オスール、A・マクドーナ、メアリ・マリン、C・ローレンス: 唄(シャーン・ノス) / イリャン・パイプ、フィドル、コンサルティーナ、ティン・ホイッスル、フルートの演奏者は不詳

バーク一族のロングシップ 他 全14曲 

このCDは図書館で借りたものですが、本物のアイルランドConnemaraの伝統音楽が記録されています。
イリャン・パイプ等の器楽演奏と唄(シャーン・ノス)が収録されていますが、特に唄が印象深いです。唄というよりも、物語を語る(うなる?)という感じです。解説ではアラブの詠唱を思わせると書かれていますが、私はどこかで聴いたことがあるような、なつかしさを感じます。
唄と器楽は異なる伝統の上にあるようです。唄は口承文学がルーツ、器楽演奏は娯楽や踊りがルーツだと思いますが、今のアイルランド音楽は器楽系統が興隆しているのに対して、このCDで聴けるような唄(シャーン・ノス)は衰退しているのか、他では聴いたことがありません。
昔聞いた時は退屈だったのですが、聞き返してみると素晴らしいCDだと感じました。
本物が好きな人にお勧めです。

 

聖母マリアの歌

gael-linn, CEFCD084 , 1980

ノイリン・ニー・リアイン: 唄 / ベネディクト修道士の聖歌隊 : 合唱

聖母マリアの哀歌  他 全11曲 

アイルランドの伝統宗教歌が記録されています。楽譜と歌詞が記載された立派な解説が付いています。ノイリン・ニー・リアインという女性歌手とベネディクト修道士の聖歌隊による唄がグレンスタル大修道院で収録されました。
本CDの印象は静かな祈りというものです。ノイリン・ニー・リアインが「歌い手は、自分という存在をさらけ出すことになりました。今後、収録曲を別の機会に歌うことはありえないでしょう」と述べているのが印象的です。大修道院で伴奏もなく独唱し、響き渡る自分の声を聞くというのは恐ろしい体験かも知れません。
伝統宗教歌
の好きな人にお勧めです。

 

アイリッシュ・パイプの魅力

NONESUCH , WPCS-10734 , 1972年録音

Finber Furey : アイリッシュ・パイプ、ホイッスル  / Eddy Furey : ギター 

レイキッシュ・パディ 他 全13曲 

アイリッシュ・パイプは、ふいごで空気を送るタイプのバグパイプでイリャン・パイプとかユニオン・パイプとも呼ばれますが、傑出したパイパーだった故レオ・ラウサムはアイリッシュ・オルガンと呼んでいたそうです。
フュレー家は音楽一家で、フィンバーは録音時点で21歳ですがアイリッシュ・パイプの名手です。(但し、アイリッシュ・パイプは習得するのが難しい楽器で、年長の奏者だけがマスターできるものだと考えられてきたということです。)力づよい演奏で、最初聞いたときは調子はずれに聞こえる曲もありましたが、これに馴れると他の演奏が薄味に感じます。
力づよいアイリッシュ・パイプを聴いてみたい
人にお勧めです。

 

Seamus Ennis - The Wandering Minstrel

Ossian , OSS CD12 , 1989 (1974年録音)

Seamus Ennis : アイリッシュ・パイプ 

The Blackbird 他 全12曲 

アイリッシュ・パイプの名人Seamus Ennisによる演奏です。演奏は強いアクセントがあり調子はずれに聞こえる部分もありますが、同時に複数の音を出すことが多くアイリッシュ・オルガンという呼び方がよくわかる演奏です。
Seamus Ennisによるアイリッシュ・オルガンを聴いてみたい
人にお勧めです。

 

CEOL NA nUASAL

gael-linn, CEFCD015 , 1967

Sean O Riada : 編曲、アイリッシュ・ハープ? / SEAN O SE , Paidi Maloney 他(唄、アイリッシュ・パイプ、フルート等) 

Caitlin Triail 他 全9曲 

アイリッシュ・ハープの名人Carolan(1670-1738)の曲を主に演奏しているようです。(表紙のハープはCarolanが使用したもの?)解説は読めない部分が多いのですが、各曲とフランスやスコットランドとの関連が記されています。
演奏は素朴なものですが、独特の軽さ、明るさというものが感じられます。録音も意外に良く、素朴な楽器の質感などが分かります。
少し古い演奏でアイリッシュ・トラッドを聴いてみたい
人にお勧めです。

 

Songs from Ireland - Best of Irish Songwriters

ARC Music , EUCD1300 , 1995

Dolores Keane , Mick Hanly , Barrowside , Peter O'Malley , Arty McGlynn ,Nollaig Casey , Johnny Duhan , Jim Fitzpatrick , Kieran Halpin : 唄

The Island 他 全13曲 

アイルランドの新しい唄を集めたCDです。ポール・ブレディ等のソングライターの曲をドロレス・ケーン等の歌手が唄っています。伝統的な古い唄(シャーン・ノス)とは異なりますが、一般的にアイルランドの唄というと、このCDで集められているような曲を思い浮かべます。ケルト風の、しみじみとした曲とカントリー風の曲がありますが、このような唄がアイルランドの新しい伝統を作って行くのだと思います。
新しく生まれているアイルランドの唄
を聴きたい人にお勧めです。

 

Buttons & Bows - GraceNotes

gael-linn , CEFCD151 , 1991

Jackie Daly : アコーディオン、コンサルティーナ / Seamus McGuire : フィドル、ヴィオラ / Manus McGuire : フィドル / Garry O'Briain : ギター、ピアノ、mandocello

The Waltz of Happiness 他 全14曲 

Buttons & Bowsはアイルランドのおじさんバンドです。これは彼らの3枚目のCDで、古いSPの曲や北アメリカ、シェトランド、コペンハーゲンやアイルランドの曲を収録しています。唄はなく、楽器のみですが、〜Waltzという曲が多く、のんびりした感じの演奏です。
おじさんの、のんびりした演奏
を聴きたい人にお勧めです。

 

KILKELLY - MOLONEY, O'CONNELL & KENE

Green Linnet , GLCD1072 , 1988

Mick Moloney : 唄、ギター、マンドリン、バンジョー等 / Robbie O'Connell : 唄、ギター / Jimmy Keane : 唄、アコーディオン、ホイッスル等

The Green Fields of America 等5曲

アイルランドからは多くの移民がアメリカに渡りました。このグループはアメリカで活躍しているようですが、Jimmy Keaneの父親はConnemara生まれでシャーン・ノスの名人だったそうです。(収録されている中の1曲は、この父親の作です)
唄も演奏も高い技術を持っているグループです。
アメリカに渡ったアイルランド・トラッド
を聴きたい人にお勧めです。

 

Seamus Connolly - Here and There

Green Linnet , GLCD1098 , 1989

Seamus Connolly : ヴァイオリン / Tommy Hayes : パーカッション / Barbara Magone : ピアノ / Mick Moloney:ギター等 / Martin Connolly : アコーディオン / Kathleen Guilday : ハープ / Deirdre Goulding : ダンス / 他

Reel Le Blanc 他 12曲

Seamus Connollyはアイルランドの「Fiddler of Dooney」大会で10回も優勝したフィドルの名人です。現在は主にアメリカで活躍しているようですが、このCDはアイルランド・トラッドの名人を各地から集めて作られたものです。
唄のない器楽演奏なのでダンス曲が中心ですが、割と落ち着いた雰囲気です。Seamus Connollyの演奏はアイルランドなまりが残っているのですが、フィドルというよりもヴァイオリン演奏という感じがする曲もあります。
落ち着いたアイルランド・トラッド
を聴きたい人にお勧めです。

 

Trian U

Green Linnet , GLCD1159 , 1995

Billy McComiskey : アコーディオン / Liz Carroll : フィドル / Daithi Sproule : ギター、唄

ゲスト Ciaran Curran :ブズーキ他 / Triona Ni Dhomhnaill : ピアノ他 

I Once Knew a little Girl 他 12曲

Trianは女性を含めた3人組で、正統的な演奏をする真面目なバンドです。このCDでは1/3程度の曲に唄が入っています。ギターも演奏するひげを生やしたDaithi Sprouleが唄っており、しみじみとした唄いぶりで私の好みです。各曲に詳細な解説がついていますが、伝統曲と言われてもわからないようなオリジナル曲が多く驚きました。
アイルランド・トラッド
の正統的な演奏と唄を聴きたい人にお勧めです。

 

Planxty

Shanachie , 79009 , 1989

C.Moore, L.O'Flynn, A.Krvine, D.Lunny : 唄、アイリッシュ・パイプ 、フィドル、ブズーキ他? (奏者、楽器に関しての記載なし)

Planxty Irwin 他 全11曲 

有名なCDです。伝統曲を聴きやすくアレンジして演奏しています。演奏曲に関しての、簡単な解説が付いています。
アイルランド・トラッドというと、このCDのような演奏が標準的なものとして思い浮かぶ人が多いと思います。

Seamus Egan - when juniper sleeps

Shanachie , 79097 , 1996

Seamus Egan : フルート、ホイッスル、アイリッシュ・パイプ、ギター、バンジョー他 / Michael Aharon : キーボード他 / John Anthony :パーカッション / Daryl Burges :ドラムス他 / Winifred Horan : フィドル /  他

The Winding Hills 他 12曲

Seamus Eganは若いマルチプレイヤーです。特にバンジョーが得意なのでしょうか、とても上手です。
本CDは、電気楽器も用いた聴きやすい娯楽音楽的な演奏です。伝統曲をアレンジしたものとオリジナル曲が混じっており、面白いアレンジの曲もあるのですが凡庸で面白みのない演奏もあります。

 

Now And In Time To Be - W.B.イェイツを唄う

Grapevine , GRACD219 , 1997

W.B.Yeats :朗読 / Van Morrison等による唄・演奏

アイルランドが生んだ詩人イェイツ(1865-1939)の作品をアイルランド系ミュージシャンが唄っています。特筆すべきはイェイツ自身の朗読が収録されていることです。この朗読は、ゆっくりしたリズムと抑揚があり、シャーン・ノスも思い起こさせます。CDの表紙はW.B.イェイツの弟の画家ジャック・イェイツの作品です。
W.B.イェイツの朗読
を聴きたい人にお勧めです。