スペイン
Espagne Septentrionale
Le Chant du Monde, CMT274 1003 , 1995 (1980年〜1982年Herman Vuylsteke録音)
Basque, Huesca, Asturies, Galice 等の人々: 唄、太鼓、バグパイプ / 他
北スペイン(GALICE ,ASTURIES, PAYS BASQUE等)の民謡、器楽演奏 全27曲
北スペインの民謡、器楽演奏を現地録音したCDです。バスクやケルト、ガリシアというような様々なルーツをもつ人々による唄や器楽演奏、祭礼などを集めてあるようです。バスクでは上の写真にあるような木を叩く楽器も収録されており、古くから伝わる珍しいものもあります。祭礼の現地録音では、ロケット弾のような花火の音が収録されておりビックリしました。
唄や演奏は、おおらかで素朴なものであり、異国なのに懐かしいという印象が残ります。
懐かしいスペインを聞きたい人にお勧めです。
スペイン・ガリシアの歌と音楽
KING , KICC5754 , (1970年、ALBATROS原盤)
Os Airinos das Baixas : ガイタ奏者を主としたグループ 他
アローザ島のフィエスタ、ビゴのガイタ 他 全18曲
スペインのガリシアの祭礼(フィエスタ)の音楽を現地録音したものです。ガイタ(バグパイプ)奏者にタンボリール(太鼓)、パンデレータ(バスク地方のタンバリン)、コンチャス(2枚のホタテ貝を、大きなカスタネットのように打ち鳴らすもの)、パンデーロ(松の木のフレームを持つ四角形の太鼓)等によるグループ演奏と唄が主です。各地の最高のグループだということですが、演奏者の本職は電気技師や石工などで、祭に参加する漁師たちがグループの演奏に合わせて唄ったり踊ったりします。ガリシアは交通の便が悪く、漁業は栄えているが貧しい地域で、中南米への移民が多いとのことで、メキシコの民族歌謡コリードと似た曲も収録されています。
フィエスタの楽しい気分は伝わってきますが、聞いて楽しむCDではなく、貴重な記録だと思います。
伝統的なガイタを聞きたい人にお勧めです。
Germaine Montero
Le Chant du Monde, CM234x2 , 1993 (1952年〜1968年録音)
Germaine Montero : 唄 / 他
スペイン各地(GALICE ,ASTURIES, MONTANA, PAYS BASQUE等)の民謡 全27曲
スペインの民謡を集めて、Germaine
Montero が 唄っています。本CDは2枚組みでスペイン民謡の他にシャンソンなども収録されていますが、どれも真面目な印象の録音です。
スペイン民謡はシンプルな伴奏で歌われており、どこかで聞いたことがあるような曲が多いです。残念ながら分厚い解説書が読めないので詳しいことは分かりません。
Germaine Monteroが好きな人にお勧めです。
スペイン民謡集
Tokyo M-Plus, Ethnic B6201 , 1993録音
カルメン・リナーレス : 唄、Bernardo Parrilla : ヴァイオリン、Paco Cortes : ギター、Mariano Marin : ピアノ、他
巡礼者たちのロマンセ 他 全10曲
スペインの詩人ガルシア・ロルカが採譜したアンダルシア地方に古くから伝わる民謡を収録したCDです。フラメンコ歌手のカルメン・リナーレスを主としたグループが現代風のアレンジで演奏しています。情熱的な唄に、キレの良いフラメンコ・ギターなどの伴奏が付き、聴きごたえがあります。録音も派手で、スピーカがボイスコイルから飛び出すのではないかとビックリしました。
卓越した演奏、唄、録音と、全てが並み外れているので、刺激を求める人には最適ですが、私は圧迫感を感じるので敬遠してしまします。
民謡集といっても一般向きではなくフラメンコ通向きでしょう。(2010.05.10)
BERROGUETTO / MAVICULARIA
Do Fol Edicions , DF002 , 1996
Santiago Cribeiro :
アコーディオン、ピアノ等 / Paco Juncal :
バイオリン / Quico Comesana : ブズーキ、ハープ /
Guillermo Fernandez : ギター、ベース / Isaac Palacin :
ドラム、パーカッション / Anxo Pintos : gaita(バグパイプ)、zanfona(ハーディ・ガーディ)、フルート等
(ゲスト) Cantigas e Agarimos :女性コーラス・グループ
Navicularia 他 全11曲
ベログエトというバンドはスペインのガリシア北部の港町ビーゴで結成されたそうです。スペインのガリシアもケルトの伝統の残る地です。
このCDの表紙は派手でコンテンポラリー指向のバンドですが、演奏はアコースティック楽器主体で伝統音楽の香りを残しています。印象的なのは地声の女性コーラスが4曲に参加していることで、これはガリシアの伝統的なコーラス・スタイルだそうです。
地声の女性コーラスが好きな人にお勧めです。
MOMPOU
brilliant , 6515 , 1974録音
Federico Mompou : ピアノ
Cansons I danses 他 全16曲
スペインのFederico
Mompou(1893-1987)のピアノ曲全集です。モンポウ自演により1974年に収録されたCD4枚組が2千数百円と御買得でした。
民謡などを題材にした内省的な音楽で、現代音楽としては聴きやすいピアノ曲だと思います。上品なクラシック音楽特有の哀愁を帯びた魅力的な演奏です。
Cansons I dansesなどは、平明なメロディーの中に、こだまのように呼応する不協和音?が混じります。これは静かな日常生活の中に忍び込む不安感というような音で、明るいスペインの空に浮かぶ暗雲という感じでしょうか。(2010.03.27)
Five Centuries of the Spanish Guitars
MCA , MCAD42071 , 1989(1956年〜1968年録音)
Andres Segovia : ギター
Milan, Narvaez, Sanz, Sor, Torroba, Granados, Mompou 等の曲 全26曲
スペインのクラシック・ギターを収録したCDです。Milan(1500-1561)からMompou(1893-1987)までの5世紀に渡るギター曲を巨匠セゴビアが演奏しています。端正でありながら哀愁・情熱も感じさせるギター演奏です。
ギターとスペインは良く似合うと思います。
スペインのクラシック・ギターを聞きたい人にお勧めです。