フランス
Bagpipes of Central France
AUVIDIS-UNESCO , D8202 , 1989
Jean Blanchard : バグパイプ、フィドル / Eric Montbel : バグパイプ
美しい月の光に 他 全19曲
フランス中央部の伝統曲をバグパイプで演奏しています。フランスには多くのタイプのバグパイプがあり、ここでは17〜18世紀の上流社会で流行したミュゼット・ロワイヤルの長所を取り入れた楽器が演奏されています。(ミュゼットはふいご式が一般的ですが、本CDで使用されているものは口吹き式のものです)
繊細な音がするバグパイプの演奏を聴いていると、古き良きフランスの豊かさが伝わってきます。
フランスの豊かさを感じたい人にお勧めです。
MUSIQUES POUR CORNEMUSES
Ocora , C559044 , 1988
Jean Blanchard : バグパイプ、ミュゼット / Bernard Blanc : ミュゼット / Jean-Claude Blanc : ミュゼット / Philippe Destrem : ハーディー・ガーディー / Bruno Letron : アコーディオン / Jean-Francois Vrod : ヴァイオリン
La belle est au d'amour 他全25曲
フランス各地(BERRY,
BOURBONNAIS, NIVERNAIS, MORVAN, BASSE-AUVERGNE)の伝統曲を収録したCDです。Jean
Blanchardのバグパイプ独奏を主に数人の合奏もあります。英語の解説も付き、ヨーロッパでのバグパイプの位置づけや、フランスのバグパイプ製作者等を含めた詳細な説明が記載されています。
真面目で繊細な演奏で、古楽やバロックを聞いているような印象を受けます。
バグパイプを聞きたい古楽ファンにお勧めです。
menagerie
Auvidis Ethnic , B6795 , 1994
Jean Blanchard : バグパイプ / Robert Amyot : バグパイプ / Eric Montbel : バグパイプ / Willy Soulettel : バグパイプ / Raphael Thiery : バグパイプ / Michel Di Napoli : 打楽器
Trois tourtereaux 他全11曲
伝統曲の演奏ではありませんが、上記のJean
Blanchardを中心としたバグパイプ・クインテットのCDなので紹介します。バグパイプ五重奏団というのは珍しいと思いますが、聞いた印象では真面目な音楽家が自作曲を持ち寄って、自由に演奏を楽しんでいるという風情です。
バグパイプを聞きたいジャズ・ファンにお勧めです。
Fleur de terre
Beau Temps , BT.678.3 , ?
Jean Blanchard : 唄、バグパイプ、フィドル / Robert Amyot : 唄 / Sylvie Berger : 唄 / 他
La fille soldat 他全14曲
フランス各地の伝統歌を収録したCDです。上で紹介しているUNESCOのCDでバグパイプ等の演奏をしているJean
Blanchardがブルターニュ民謡等を編曲をしているようですが、解説が読めないので詳細は不明です。合唱とバグパイプ等の伴奏というトラックが多いのですが、最も印象的なのは素朴な女性の歌声です。
素朴なフランス民謡を聞きたい人にお勧めです。
L'epinette des Vosges
Ocora , C560122 , 1997
Christophe Toussaint : ダルシマー、唄 / Jean Riboullault : ダルシマー / Jean-Francois Dutertre : ダルシマー、唄
Polka piquee de Gerardmer 他 全19曲
フランス北東部Vosgesに伝わるダルシマーEpinetteの演奏と唄を収録したCDです。Epinetteと似た箱型チター属の弦楽器はスカンジナビアや中央ヨーロッパに広く分布しているようですが、音は北欧のカンテレと似ています。Vosgesとブルターニュは遠いのですが、似たメロディーの曲もあり、色々なつながりを感じます。私は、この楽器を知りたくて本CDを入手したのですが、予想以上に素晴らしい演奏や唄が楽しめました。
弦楽器の好きな人にお勧めです。
Les Traditions Populaires en France / vol.1
ocora, 558 520, 1980 (1976年録音)
Louise Reichert : 唄
La Ville de Rennes 他 全16曲
フランス、オーベルニュの唄を収録したLPです。Louise
ReichertはAuvergne地方のLa Cazeで1896年に生まれました。彼女はフランス語ではなくオクシタン語で唄っているそうで、歌詞カードには言語間の相互影響などを含めた解説が付いていますが、フランス語も読めない私には猫に小判というところです。ブルターニュの地名(Rennes)が付いた唄などもあり、解説では各曲の起源なども推察しています。オコラの自然な録音と、全く飾り気の無い歌声です。
この貴重なLPが数百円で売られているのを見つけたときは困りました。LPは新たに購入しないように自戒しているのですが、私が購入しないとゴミとして捨てられそうなので禁を破りました。
貴重なLPは捨てないで下さい。
Les Traditions Populaires en France / vol.4
ocora, 558 604, 1982 (1981年録音)
Mesple 家の人々: 唄、演奏
La Crabo 他 全15曲
フランス、ベアルヌ地方の唄を収録したLPです。ベアルヌ地方はピレネー山脈の大西洋側にあり、表紙写真のベレー帽をみるとバスクの一部か近隣なのではと思います。本LPはベアルヌ地方のOssau渓谷にあるMesple
家で収録されたようです。男声独唱、男声と女声の2重唱、笛やタンバリンなどによる演奏とダンスなどですが、特に洗練されたハーモニーを感じる合唱は印象的です。オコラによる録音は素晴らしく、和やかなMesple
家の雰囲気が伝わってきます。
普段使用している針圧3g以上の古いカートリッジで聞き始めたのですが、貴重なLPにダメージを与えるといけないと思い軽針圧高性能カートリッジに換えたところ録音の良さが実感できました。
軽針圧の高性能カートリッジ使用がお薦めです。
クープラン / 修道院のためのオルガン・ミサ
Charlin , TKCZ79255 , 1993
ジョルジュ・ロベール: パイプオルガン
修道院のためのオルガン・ミサ 他全10曲
フランソワ・クープラン(1668-1733)は、ドイツのバッハ家と比肩されるパリの音楽家の家系に生れ、王室礼拝堂のオルガン奏者もしたフランス古典音楽を代表する作曲家です。本CDには修道院のためのオルガン・ミサが収録されています。残念ながらコーラスは入りませんが、St
Merry教会のパイプオルガンを使用した演奏で、静かで落ち着いた印象が私好みです。
静かに教会音楽を聞きたい人にお勧めです。
Francois Couperin
STIL , 0207 SAN 78, 1990(1977〜1978録音)
Scott Ross : クラブサン(チェンバロ)
フランソワ・クープラン クラブサン作品全集(12CD)
F.Couperin(1668-1733)のクラブサン作品を収録したCDです。Scott
Ross(1951-1989)がアサス城で録音したものですが、楽器の音色と録音の素晴らしさに驚きます。私にはフランス語の解説は読めないのですが、アサス城と録音風景の写真は興味深いです。
スコット・ロスの演奏の素晴らしさは言うまでも無いのですが、生々しすぎる録音と相俟って私には一種の哀しさ?さえ感じられます。
録音マニアにお勧めです。
ラモー / クラヴサン名曲集
オワゾリール , POCL5255 , 1991
Christophe Rousset: クラヴサン(1751年アンリ・エムシュ作)
プレリュード 他全16曲
ジャン・フィリップ・ラモー(1683-1764)は、和声論で有名な作曲家です。本CDにはクラヴサン曲集からの抜粋が収録されています。<ロンドー形式によるミュゼット>や<ジプシー>などという興味深いタイトルの曲も入っています。
図書館で借りた本CDの魅力は、素晴らしい楽器の音色です。1751年アンリ・エムシュ作のオリジナル楽器はラモーが仕えたラ・ププリニエール家が所有していたようで、ラモー自身も演奏した楽器かもしれません。クリストフ・リセの演奏も生き生きとしています。
素晴らしいクラヴサンの音色を聞きたい人にお勧めです。
DANDRIEU / Mass & Vespers for Easter Sunday
PIERRE VERANY , PV794034 , 1994
Jean-Patrice BROSSE: パイプオルガン / Choeur Gregorien de Paris : コーラス
Mass & Vespers for Easter Sunday 全15曲
Jean-Francois DANDRIEU(1682-1738)はSt
Merry教会等のオルガン奏者もしたフランスの作曲家です。本CDにはComminges
音楽祭で演奏されたMass & Vespers for Easter Sundayが収録されています。パイプオルガンとコーラスが交互に奏されるオルガン・ミサ曲という形式で、オルガン奏者とコーラスの呼応が美しく、途中に教会の鐘の音も入ります。
このCDは曲、演奏、音質ともに良く、フランスの教会音楽の素晴らしさが伝わってきます。
オルガンとコーラスの呼応を楽しみたい人にお勧めです。
このオルガン・ミサ曲という形式は、神の呼びかけ(オルガン)に対して人間が答えて働き返す(合唱)という、連結(救い)と働き(相互愛)を象徴するように思えます。本日、ユーチューブで似た演奏を探したのですが見つからず、オルガン独奏ばかりで寂しい感じがしました。(2011.01.22追記)
Taize - Alleluia
AUVIDIS , T553 , 1987/1988
Taizeの人々 : 唄等
Alleluia 他 全14曲
フランスのTaize村で1940年に25歳のBrother
Rogerによって疎外された人々のためのコミュニティー作りが始められました。(当初はナチから逃れたユダヤの人々を助けたようです)
このCDは1986年にロンドンで開かれた集会における祈りのための音楽が収録されています。今では、ヨーロッパの多くの人々に親しまれている音楽だということです。
Taizeを知りたい人にお薦めです。
60 annees de chants Scouts de France
AUVIDIS , A6154 , 1988
Chorale Franco-Allemande de Paris : 合唱 / Bernard Lallement : 指揮
Cantique de la Promesse 他 全29曲
フランスのボーイスカウトで唄われる合唱を収録したCDを紹介します。(ボーイスカウトとBagad
の関連もあるようなので)
本CDにはブルターニュの唄が入っているかは明確でありませんが、イギリス民謡の「蛍の光」が収録されています。ブルターニュの合唱団と似た印象の曲もあります。
ボーイスカウトの指導者にお薦めです。
L'heretique - poemes de Rene NELLI
GALLO , CD765 , 1993
Gerard Zuchetto: 唄 / Michel Rousset: ピアノ
Et voici.... 他 全26曲
Rene NELLIの詩を男声で歌って(語って)います。
本CDはスイスのローザンヌで作られたようですが、私にはシャンソンのように聞こえます。フランスのシャンソンはアイルランドのシャーン・ノスと同様に口承文学に属するものなのでしょうか?
唄われる詩を聞きたい人にお薦めです。