クロアチア

クルク島に伝わる驚異の二重唱

日本ビクター , VTCD-79 , 1992 (1961年 Wolfgang Laade 録音)

女性や男性の二重唱、結婚式でのソビレ(ダブルリードの笛)演奏、教会でのミサ 全15曲 

クロアチアのクルク島に伝わる古い音楽を収録したCDです。クルク島は紀元前にはイリュリア・ケルト系のリブルニア人が住みついており、ローマの属州になった後にはクロアチア人、ハンガリー人などによる支配が何回も交替した島だそうです。ヴォルフガング・ラーデによって1961年に行われたモノラル録音ですが音は悪くありません。聞いたことの無い不思議な音楽が満載です。クルクの音楽の特徴は2度または短3度による2声の音楽(ダイアフォニック・ミュージックdiaphonic music)なのだそうです。私には音程のはずれた合唱や前衛JAZZ風のチャルメラ演奏のように聞こえます。わかりやすい解説(フィールド・ノート)が付いた立派なCDブックで、ビクターの「地球の音楽(フィールドワーカーによる音の民族誌)」第79巻です。個人で全集80冊を揃えるのは荷が重いので、近くの図書館で揃えてほしいと思いました。
近所の図書館にお勧めです。

 

Croatian FolkSongs and Dances

harmonia mundi , QUI903071 , 1992 (Hungarian Radio Broadcasting 1953年〜1985年録音)

Dravian Croatian tunes , Bosnian tunes from Pecsudvard , Shokatz tunes from Mohacs, Bunievatz tunes from Baja & Gara

踊り歌、楽器、民謡 全29曲 

クロアチアの民謡と踊り歌を収録したCDです。3世紀前の民族交流などから説き始める解説書は私には理解できないのですが、ハンガリーにおけるクロアチア民謡という位置づけでの説明がされています。録音もハンガリーで行われたもののようです。表紙写真には「なまはげ」のような鬼の仮面をつけた人とバグパイプを演奏している人が写っています。聞いた印象は、イタリア民謡やジプシー演奏なども思い出す多様なものです。聞いてビックリというような、不思議な曲もあります。
このCDは録音が悪いトラックも多く、聞いて楽しむものではなく学術的な資料だと思います。
クロアチア民謡のマニアにお勧めです。