ブラジル

 

BRAZIL / The Bororo World of Sound

AUVIDIS/UNESCO , D8201 , 1989

Bororoの人々 : 唄、太鼓、他

夜の集会の唄 他 全9曲

マットグロッソ州に僅か800人程度が残るBororoの音楽を収録したCDです。儀式や集会の音楽のようですが、生き生きとした伝統を感じます。アメリカ・インディアンの音楽では、生き生きとした伝統を感じるものを聞いたことがないのですが、もしかすると非常に近い音楽ではないかなと思いました。厳粛な雰囲気で呼び交わす叫び声や合唱・演奏は、Bororoの神事ということでしょうか?
本CDはユネスコが残すべき世界遺産であり、エンターテイメントには関係しません。
インディアン研究者以外には、お薦めできません。

 

Documento Sonoro do Folclore Brasileiro / volume V

ACERVO FUNARTE , ATR32027 , 1987録音?

サンパウロ?の人々 : 唄、太鼓、他

Calango do cavanhaque 他 全18曲

ブラジルのフォルクローレを収録したCDです。Calango, Ticumbi, Coco, Banda de Congos という音楽のようですが、解説が読めないので詳細不明です。大道芸のように聞こえるものや、原始的なサンバのように聞こえるものがあります。驚くのは、音程を合せようという気持ちが感じられない合唱?です。皆で大きな声を出すのが気持ちよいのでしょうか。
本CDは音質が良くないのが残念です。
ブラジル民謡研究者以外には、お薦めで`きません。

 

Villa-Lobos / string quatets(complate)

BRILLIANT , 6634? , 1994〜2000録音(Dorian原盤)

Cuarteto Latinoamericano : 弦楽四重奏団

Quartet No.1〜17 全17曲(6CD)

ヴィラ・ロボス(1887-1959)の弦楽四重奏曲を全曲収録したCDです。ブラジルが生んだ大作曲家ヴィラ・ロボスは民謡にも興味があったようですが、弦楽四重奏曲に民謡の影響があるのかは良く知りません。
難解な印象もある音楽ですが、バルトークのSQに比べ親しみやすい感じで、多くの人に良さが分かる弦楽四重奏曲だと思います。(現状で、人気がある曲なのかは知りません)本CDはメキシコ出身のBitran兄弟が中心となった弦楽四重奏団による演奏ですが、私にも曲の魅力が良く分かる素晴らしい演奏だと思います。久しぶりに弦楽四重奏を堪能して、2千数百円というのはお買い得でした。
ヴィラ・ロボス
を知りたい人にお勧めです。
http://www.youtube.com/watch?v=NmAeKXwMagE


RETRATOS / Radames Gnattali

kuarup , KCD-044 , 1989 ?

Chiquinho do Acordeon : アコーディオン / Rafael Rabello : violao(ギター?)、他

Suite Retratos 他 全8曲

ブラジルの軽妙で涼しげな音楽ショーロを収録したCDです。ショーロはヨーロッパの香りがする音楽で、本CDのアコーディオンを中心とした演奏は地味ですが素晴らしく、聞き飽きません。私は解説が読めないので、ブラジル音楽に詳しいakitさんに掲示板で教えて頂いたことを以下に記します。

ブラジルのタンゴは、CD表紙の中央付近の女性Chiquinha Gonzagaが、始めたもののようです。 この女性は、良い所のお嬢さんだったようで、音楽活動の他に、黒人や女性の地位向上に尽力した人としても知られている人です。当時のショーロは、下世話な音楽とされていました。そのショーロを、ショーロと呼ばずに、タンゴと呼ぶことを好んだそうです。というのは、当時タンゴは、ヨーロッパから伝わった音楽で、上流社会で受け容れられていたからです。まあ、そのことによって、黒人達、底辺の人達の地位向上を願ったといわれています。しかし、彼女の思いは届かず、ショーロは、上流社会では、受け容れてもらえなかったそうです。その彼女の夢をかなえたのが、エルネスト・ナザレー、右下の絵の人です。アナクレート・ジ・メデイロスは、タクトを持っている人です。ピシンギーニャは、サキソフォンを銜えている人です。ジナタリは、左の大きな絵の人です。

ヨーロッパ風味のショーロが好きな人に、お薦めです。
http://www.youtube.com/watch?v=3e2P4neld9g
http://www.youtube.com/copynotice?video_id=GFQKaPY7PBo



永遠のナザレー 

ライス(kuarup) , KPR-503 , 1997録音

Maria Teresa Madeira :ピアノ、Pedro Amorim : バンドリン

ブレジェイロ 他  全12曲

ブラジルの作曲家Nazareth(1863-1934)のCDです。
ナザレーの曲をマリア・テレーザ・マデイラ(ピアノ)とペドロ・アモリーン(バンドリン)が演奏しています。軽快な曲や哀愁を帯びた曲の魅力が良く分かる演奏だと思います。kuarupによる録音も素晴らしく、家で静かに流すバック・グラウンド・ミュージックとして最適です。テレビを消すと寂しいという人は、代わりに本CDを流すと夏を快適に過ごせます。
有名な作曲家のCDを聴いてみたいと思い入手しました。




Des Anos Sem Ele 

EMI-Odeon , 052422052 , 1971

Sao Pixinguinha :作曲、サキソフォーン?、他 : 唄と器楽伴奏

Desprezado 他  全11曲

ショーロの作曲家ピシンギーニャ(1897-1973)のLPです。
解説が読めないのですが、1971年録音の作品集だと思います。晩年の録音なので、Pixinguinha本人の演奏か不明なのですがサキソフォーンやフルートが主となっている小編成楽団の演奏や、オーケストラ付きの唄など様々なスタイルの曲が集められています。サキソフォーン演奏というと野暮ったい感じになりがちですが、軽快で洗練された印象がします。
有名な作曲家のLPを聴いてみたいと思い入手しました。




ピシンギーニャとベネジート・ラセルダ 

BMG(RCA) , BVCP-2076 , 1992(1944-1950録音)

Sao Pixinguinha :テナー・サキソフォーン 、 Benedicto Lacerda :フルート

1×0 他  全12曲

ショーロの古い演奏を収録したCDです。
ショーロという名称は1860年頃の楽師が使った「松を泣かせる:Fazer chorar os pinhos」という詩的な言葉から生まれたようです。ショーロの確立者と呼ばれるのはフルートの名人ジョアキン・ダ・シルヴァ・カラード(1848-80)で、Pixinguinhaも最初はフルートを吹いていたそうです。本CDは当時ブラジル最高のフルート奏者と呼ばれたべネジート・ラセルダ(1903-58)とピシンギーニャ(1897-1973)のサックスとの協演を1944-1950年に録音したものです。SP録音のためノイズが目立ちますが、演奏が素晴らしいので鑑賞に耐えます。二人が息を合わせて音楽の流れと抑揚を作り出しており、例えれば、2匹の蝶が戯れながら舞っている感じです。私には演奏技術の優劣は分かりませんが、デュエットの御手本だと思います。


chorando pelos dedos

London(EMI-Odeon) , 052422020 , 1976

Joel Nascimento : バンドリン、他 : 器楽演奏

Castigo 他 全12曲

バンドリンの名手Joel NascimentoのLPです。
オーケストラなどの伴奏によるバンドリン演奏ですが、涼しげな音色が魅力的です。
Joel Nascimento本人やバーデン・パウエル、Chico Buarque などのブラジルの作曲家による哀愁を帯びた曲に、バンドリンは良く合います。上のピシンギーニャのLPと似た印象の曲と構成ですが、録音も良く、より現代的で洗練されているように感じます。
暑い季節には、涼しげな音楽が良いと思います。
以下に本LPからの録音を紹介します。

http://www.youtube.com/watch?v=hsL-Gg2QD3M

Cafe Brasil

TELDEC , 8573-82368-2 , 2000録音?

Sivuca : アコーディオン / Dino 7 Cordas : 7弦ギター / Toni : ギター / Marisa Monte : 唄 / Joao Bosco : 唄/ Leila Pinheiro : 唄 / Martinho da Vila : 唄 / Paulinho da Viola : 唄 / Ronaldo do Bandolim : バンドリン / Pedro Amorim : バンドリン / Luciana Rabello : カバキーニョ / Jorge Filho: カバキーニョ / Paulo Sergio Santos : クラリネット / Altamiro Carriho : フルート / Maria Teresa Madeira : ピアノ / Rildo Hora : ハーモニカ、他

Noites Cariocas 他 全16曲

ブラジルの軽音楽ショーロを収録したCDです。上の表紙写真はリオのカフェを1900年に写したものですが、ショーロもこの頃に生まれたようです。本CDは多くの名人を集めて作られたもので、素晴らしい演奏、唄が楽しめます。コーヒーを飲みながら聞くのにピッタリだと思います。
コーヒーとショーロが好きな人に、お薦めです。

 

オデオン/デュオ フランシスコ ミニョーネ

タッタルーガ , T-017 , 1993

マリア・ジョゼフィーナ・ミニョーネ : ピアノ / ミリアン・ラモス : ピアノ

オデオン 他 全12曲

ブラジルの作曲家フランシス・ミニョーネ(1897−1986)の曲を主としたピアノ・デュオを収録したCDです。10代のミニョーネはサンパウロのダンスバンドで活躍し、後年は多くのクラシック音楽を作曲しました。
本CDでのマリア・ジョゼフィーナ・ミニョーネ夫人とミリアン・ラモス のピアノ・デュオは、明るい音色で、魅力的な演奏をしています。哀愁を帯びた、粋で垢抜けた曲の良さが、しみじみと感じられます。
ブラジル産クラシックが好きな人に、お薦めです。

 

CANTORIA1

kuarup , M-KCD018, 1984録音?

Elomar : 唄、ギター / Xangai : 唄、ギター / Geraldo Azevedo : 唄、ギター / Vital Farias : 唄、ギター 

Novena 他 全13曲

ギターを弾きながら唄う4人(Elomar、Geraldo Azevedo、Vital Farias、Xangai)のコンサートを収録したCDです。昔、ヨーロッパには吟遊詩人という人々がいたようですが、その伝統がブラジルに伝わってきたということでしょうか?ヨーロッパの古典音楽(クラシック)をベースにブラジルの民謡などを取り入れたと思われる曲を、とても魅力的に唄い演奏します。歌詞がわからないのが残念です。
ブラジルの吟遊詩人を知りたい人に、お薦めです。

http://www.youtube.com/watch?v=TELno8MNatQ
http://www.youtube.com/watch?v=vzzSNMrJ-1g

 

XANGAI - Um abraco pra ti pequenina

kuarup , KCD104, 1997 ?

XANGAI : 唄、ギター / QUINTETO DA PARAIBA : 弦楽奏団

Filomena e Fedegoso 他 全13曲

シャンガイという髭を生やした人のCDです。キンテート・パライーバという弦楽奏団(アルモリアル系のバンドだそうです)をバックに、いかにもブラジルという明るい哀愁を感じさせるフォーク調の唄をきかせます。最近聞いたブラジル物の中では、上品で生き生きとした演奏であり、お気に入りです。ブラジルのNORDESTE(東北地方)の音楽だそうです。
ブラジル産フォークが好きな人に、お薦めです。

 

ファラ・マンゲイラ

EMI/Odeon , TOCP-50282, 1968/1997

カルロス・カシャーサ、カルトーラ、ネルソン・カヴァキーニョ 、クレメンチーナ・ヂ・ジェズス、オデッチ・アマラル : 唄、他

マンゲイラのある限り  他 全7曲

ブラジルでサンバは落とせません。サンバの都、リオ・デジャネイロの代表的なエスコーラ・ヂ・サンバ(町内サンバ連合)であるマンゲイラの演奏を収録したCDです。有名な録音のようなので、私のような素人が解説する必要はないと思います。
サンバ入門に、お薦めです。




Poeta de rua 

Arlequim , Arlp4028 , 1979

Gilson de Souza ,他 : 唄と器楽伴奏

poeta de rua 他  全12曲

ボサノヴァのLPです。
サンバとボサノヴァの違いは良く分かりませんが、本LPは都会的で洗練された印象なので、多分、ボサノバに分類されるのだろうと思います。Gilson de Souzaという人は本LPでしか聞いたことがないのですが、素直な唄いぶりが私好みでした。
本LPは、キズ
もないのに針飛びをする曲があります。ルーペで溝を観察すると、隣の音溝と交差しているようなので、カッティング・ミスなのでしょうか?盤の状態も音も悪くないのに残念です。

ジョアン・カエターノ劇場のエリゼッチ・カルドーゾ

OMAGATOKI , SC3136-37 , 1994(1968録音)

エリゼッチ・カルドーゾ : 唄 / ジャコー・ド・バンドリン : バンドリン / 他

星の床 他 全32曲

図書館で借りたブラジル・ポピュラー音楽(MPB)の歴史的コンサートの実況録音です。豪雨がコンサート直前に上がり、満天に星が出ました。豪雨にもかかわらず集まった聴衆がエリゼッチ・カルドーゾ(1920-1990)とともに唄います。エリゼッチ・カルドーゾは代表的なブラジルの歌姫で、ジャコー・ド・バンドリンの伴奏が素晴らしいです。
本CDは録音が悪いトラックが多く、唄や演奏を楽しむためのものではないと思いますが、一度聞いておくのも悪くないと思います。
MPBの歴史を知りたい人に、お薦めです。

 

 

Baden Powell - three originals

MPS , 519 216-2 , 1968,1975 /1993

バーデン・パウウェル : ギター、他

Tristeza  他 全28曲

バーデン・パウウェルのLPレコード3枚をまとめてCD化したものです。右上の、ギロッと横目で睨みつけている写真が印象的なので紹介します。
この人の演奏にはムラがあるようで、面白い録音と、つまらない録音の差が大きいように感じます。本CDでは、ギター・ソロには素晴らしいと感じるものが多いのですが、つまらない合奏もあります。
ブラジル風味のギター演奏を聞きたい人に、お薦めです。




Guitares du Bresil  

ARCO IRIS (harmonia mundi), 3001 808 , 1998

Baden Powell : ギター、Rosinha de Valenca : ギター、Jose Barreense-Dias : ギター、Chiquinho Timoteo : ギター 他(器楽伴奏)

Bachiana Opus No7 他  全16曲

ブラジルのギター演奏を収録したCDです。
バーデン・パウエルの他に3名の名手による演奏ですが、特にJose Barreense-Diasは素晴らしい演奏が収録されています。ライブ録音が主の生き生きした演奏で、いかにもブラジルという哀愁と躍動を感じさせます。ブラジルはサッカーのワールド・カップでも優勝候補のようですが、ギターも本場という感じがします。(2010.06.27)

最近、ギターを購入して練習?するようになりました。本CDに収録されているJose Barreense-Diasの演奏をユー・チューブで見つけました。とてもマネなどできませんが参考にしています。(2010.09.11)

http://www.youtube.com/watch?v=KFo8HAtk1cA




Violao Popular Brasileiro Contemporaneo 

Som Da Gante , SDG-023/85 , 1985

Marco Pereira : ギター、他(器楽伴奏)

Pra Hermeto 他  全8曲

ブラジルのギター演奏を収録したLPです。
正式な音楽教育を受けたギター奏者が、ポピュラー音楽を作曲・演奏しているようです。Marco Pereiraというギター奏者は初めて聞いたのですが、バーデン・パウエルを、より都会的に洗練したという印象です。繊細すぎるので一般受けはしないと思いますが、上品な店舗のバック・グラウンド・ミュージックとして最適だと感じました。
以下に本LPからの録音を紹介します。
http://www.youtube.com/watch?v=F8fzsfvEfu0