カリブ



CALYPSO Ladies 

P-Vine , UPXCD-46 , 1991(1926-1941録音)

ザ・タイガー、ザ・ライオン、ロード・ビギナー、キング・レイディオ、他 : 唄と器楽伴奏

デルシーナ 他  全25曲

カリプソの古い録音を集めたCDです。
カリプソとはトリニダード・トバコのカーニバルで発展した音楽で、島の生活に関するにニュースを広げる方法としても黒人奴隷の連帯感を強めたそうです。政治に関する唄は検閲されることもあったようですが、本CDは女性に関する唄を集めています。日本語の詳細な解説も付いているので興味のある人には貴重な資料です。
本CDを聴いて興味深いのは伴奏です。クラリネットを中心とし、ヴァイオリンやピアノ、リズム楽器などを加えた小編成のバンドで、クレズマー音楽やジプシー音楽を連想する、いかにも商業音楽という感じがします。
当時のカリプソは、現代のテレビのようなものかもしれません。

 

Steel Band des Caraibes

BUDA , 82455-2 , ?

ドミニカの人々 : スチール・ドラム

Fire Down Below 他 全14曲

ドミニカのスチール・ドラムを収録したCDです。スチール・ドラムとは上の写真のようにドラム缶を廃物利用して作られた楽器です。この楽器は音程が不明瞭なのですが、そのボンヤリした夢のような音色は私好みです。
本CDには解説が付いていませんが、伝統曲の合奏が主のようです。録音も良いとは言えませんが、明るくリズミカルな音楽は、いかにもカリブという感じです。
スチール・ドラムのマニア以外には、お薦めできません。

 

 

KALI - racines vol.2

Sony , ESCA5183 , 1990

KALI : バンジョー、アコーディオン、ピアノ、ベース、唄、他

Pote Bambou 他 全12曲

フランス領マルティニークの伝統音楽をベースにした演奏を収録したCDです。マルティニークには、砂糖キビのプランテーションのためにアフリカから連れて来られた黒人とフランス系白人の混血であるクリオールの人々が住んでおり、マズルカやビギンという伝統音楽がありますが、このCDも、その伝統音楽をベースにしているようです。
本CDは、バンジョー等を使った軽快な演奏で、素朴なポップスという感じです。
素朴で軽快なポップスを探している人に、お薦めです。

 

 

ブッカン・ギネ - 革命の炎

オルター・ポップ , FCPCD-310 , 1994?

Eddy Francois : 唄、ギター等 / Vladimir Jean Felix : ベース等 / 他

Nati Kongo 他 全11曲

ハイチの人気バンド「ブッカン・ギネ」の演奏を収録したCDです。ハイチは1804年に世界史上初の黒人共和国としてフランスから独立しました。この独立でも力となったヴードゥー教をベースにした「ミジック・ラシーン」という音楽のようです。
本CDは、伝統音楽というよりも、ロック的な現代サウンドです。民衆を扇動することを目的とした政治的な意図もあるようなのが、オソロシイですね。
ハイチの政治に感心のある人以外は、お薦めできません。