アフガニスタン

 

ペルシアとモンゴルのはざま / ヘラートの楽人とハザラ族の歌

Victor , VTCD-22 , 1992 (1973年録音)

モハマッド・アセフ : 唱 / ハフィズラー :ドタール / アブドル・カデル :タンブール / レザ・カーン:唄、ナイ /グーラム・ナビ:ダンブラ、唄 /デラワール:ザルバガリ /他

ヤ・ムスターファ 他 全16曲 

アフガニスタン、ヘラートの楽人とハザラ族の歌を収録したCDです。1973年に高橋昭弘氏がオープン・デンスケ?で現地録音したものですが鮮明な録音だと思います。ヘラートはかつてアレクサンドリアとして栄えた古都で、イラン国境に近くペルシャ文化の影響が見られるそうです。アフガニスタンの民族構成は複雑ですが、ハザラ族は中世モンゴル語の名残りを伝えるモンゴル系の民族だそうで、録音はバーミヤンなどで行われました。演奏者はチャイハナ(茶店)の主人などで、プロではありませんが、人々から公的な場所で歌う楽人として認められ、この楽人たちが歌うときは、黒山のように群がる男たちは不思議なほど静かに聴いているという風習があるそうです。
本CDで聞ける唄と演奏は、荒削りですが力強く魅力的です。特にハザラ族の唄は独特の発声法で、モンゴルの唄などを思い出させます。内戦前の貴重な録音だと思います。

ペルシャとモンゴルの狭間です。